ABOUT

 一般財団法人札幌市交通事業振興公社(Sappooro Transportation Service Corporation )は北海道札幌市を中心に活動を展開しています。当公社は、札幌市が行う交通事業の健全な発展を図り、公共の福祉の増進に資することを目的として、昭和63年11月1日に札幌市の出資のもと財団法人として設立された団体です。その後、公益法人制度改革に伴い、平成24年4月1日付けで一般財団法人に移行しました。令和2年4月1日からは、札幌市路面電車(札幌市電)の上下分離制度の開始に伴い、札幌市電の運送事業を開始したほか、札幌市交通局から委託を受け、札幌市営地下鉄(南北線・東西線・東豊線)の駅業務、定期券発売業務、広告管理業務を長年にわたり行っています。また、独自事業として、札幌市営地下鉄や札幌市電への親しみや愛着を深めていただくために、札幌市の特徴ある車両などをモチーフとしたオリジナルグッズの製作販売、各種イベントを行っています。

 札幌市の公共交通輸送の歴史は古く、寒冷地という独特の環境下で成長してきました。明治42年(1909年)に走った馬車鉄道に始まり、大正7年(1918年)には馬車鉄道が民営の路面電車に切り替わりました。その後、昭和2年(1927年)12月1日、この路面電車事業を受けついて市営交通が発足しました。昭和30年(1950年)代に入ると札幌市は急速に発展し、急成長する都市機能に対応するため、昭和46年(1971年)12月に地下鉄を開業しました。現在は新規路線の開業、路線延長を経て、南北線、東西線、東豊線の3路線を有し、総営業キロが48.0㎞、総駅数も49駅にまで成長しました。

 札幌市電についても、その歴史は古く、昭和2年の市営交通発足以来、今もなお「札幌市民の足」として活躍しています。歴史の中では道路事情の変化や地下鉄の開通により、札幌市電の路線縮小の流れがあり、昭和49年(1974年)以降は1路線での運行となっています。平成27年(2015年)12月20日にサイドリザベーション方式を採用した都心線(西4丁目~すすきの)が開業したことにより、路線がループ(環状)化となり、1周約1時間で運行しています。
 
 現在、札幌市電で運行している車両の多くは、昭和30年代に製造され、今もなお大切に整備されながら現役で活躍を続けています。変貌を続ける札幌の街の歩みの中、ノスタルジーな雰囲気の電車が今日もお客様をお運びしています。平成25年(2013年)には新型低床車両A1200形[愛称:ポラリス]、平成30年(2018年)には新型低床車両1100形[愛称:シリウス]が運行を開始し、街並みに溶け込む洗練されたデザインや大きくて開放的な窓が採用され、バリアフリーにも対応しました。